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菜実はずーと木の上に座ってボーッとしていた。
「菜実何してんの?」
「時哉!?」
「こんな時間にうろつくのはいけないよ」
「すぐに帰ります」
菜実は木から飛び降りて帰ろうとしたが、時哉に腕を掴まれた。
「最近どうしたんだい?態度が変わったよ」
「なんでもありません」
「その敬語やめない?」
「ごめんなさい」
菜実は手を振り払って逃げていった。
「菜実…」
「おかえり時哉。どこにいたんだい?」
「菜実に会っていたんだ。」
「そうか」
「劉堡、彼女はいつから笑わなくなったんだろうな?」
「そうだな」
【お父さん、劉堡と時哉の所に行ってくるね】
菜実は走って町まで向かった。
【お嬢さん】
【ん?何?】
【道を教えてくれませんか?ここに行きたいんですけど】
そう言って男は菜実に地図を見せた。
【ここ知ってる。時間内から早く付いてきて】
菜実の後ろを男はついてきた。
【ここだよ】
【ありがとう。お礼に君の血を吸ってあげるよ】
男は菜実に牙を向けた。
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