少女の悲しみ

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「違う世界の人間なんだっ。劉堡や時哉はっ。」 菜実は走って森の中に入っていった。 「くそっ…」 伸は頭を抱えて座り込んだ。 「はぁはぁ…」 菜実は走っていく。 ドンッ 「おい貴様、危ないだろう」 菜実は香にぶつかったのだ。 「あっ…香先輩!?」 「あぁ、君は九条さまのお気に入りの菜実ちゃんだ」「は?」 「昨日の血の香り、菜実ちゃんのでしょ?須翁さんは、何も教えてくれなかったけど。俺には分かったんだ。」 香は菜実の頬に触れてきた。 「なっ!?」 「菜実ちゃんの血って美味しそうな匂いするよね?」「ふふっ、知らねぇぞ香」秀哉が間に入ってきた。 「黙ってろよ秀哉は」 「ねぇ菜実ちゃん、君食べちゃってもいい?」 “美味しそうだね。食べてもいい?” 香は菜実の首元に牙を埋め込もうとした。 「いやっ…」 菜実は太ももに巻いていた小刀を抜いた。 すると、小刀は長い刀に変わった。 「やめろぉー」 菜実は刀を振り上げた。刀は紫に光った。 「香っ、逃げろ。ハンターの武器だ」 「なにっ?」 香は後ろに下がって刀を避けた。 「そっちが攻撃してきたんだよ。」 香の目は赤くなり笑った。「ん?」 すると、菜実の足元が氷だした。 「なっ!?」 「これが俺の力だよ。ヴァンパイアの力だ。君たちとは違う。」 「だまれぇ…」 菜実は刀を…銀龍を足元に突き刺した。 銀龍の力で軽い爆発が起こった。
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