少女の悲しみ

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「おいっ菜実」 実代と学校に向かっていると後ろから伸が走ってきた。 「何?」 「何って…」 「鎌田くん、菜実私は先に行ってるね」 「サンキュー」 「ありがとう。」 「でっ何?」 「昨日、あれから何があった?」 「何って…なんでもないよ」 「なんでもなくないだろっ。その首の傷…まさか九条に噛まれ…」 「劉堡さんはそんな事しないよっ」 「ならなんだ」 「ほっといてよ」 菜実が逃げようとしたとき伸が菜実の腕を引っ張って抱き締めた。 「何するんだよ。離して」「菜実っ、お前何で俺に何も話さない?」 「…」 「お前は俺にとって大切な人なんだ。」 「大切…」 「ダメだよ」 菜実は伸から離れた。 「私は、ヴァンパイアといる汚れた人間だから」 「あっ…!?」 “お前もアイツ等とおんなじだ。ヴァンパイアといる奴なんか汚れてる” 「あれは…」 「伸にはもっとふさわしいひとがいるよ。私なんかじゃなくて」 菜実は走っていった。 「あっ…」 伸は追いかけようとしたが、やめた。 「もう…疲れた」
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