転校生

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すると、空夜は菜実の耳にそっと囁いた。 「劉堡が死ぬよ?」 「あっ…」 菜実の動きは完全に止まった。 ガブッ ジュル 「いやぁぁぁー」 「黙れよっ。折角のお食事中なんだからよ」 「あっ…いやっ…いやっ…」 「こんなに旨い血は久しぶりだよ。美味しかったよ」「あんた…」 「改めて挨拶しとこう。俺は、桐生空夜。数少ない純血種のヴァンパイアだ」 「純血…あっ」 菜実は首に手を当てた。 「そう、君も俺達と同じ種族になったんだ」 「そんな…伸…劉堡…あっ…ぐぅっ…あぁっー」 菜実が苦しみ始めた。 「もう始まったんだな。体がヴァンパイアになり始めてるんだ。」 「ああぁー…あ…」 あまりの苦しみに耐えられず菜実は意識を手放した。「やっと見つけた菜実。もうすぐだ。もうすぐで…」 真っ暗で何も見えない。 【劉堡っ…劉堡っ…劉堡ぉー】 「劉堡っ」 菜実は目を覚ました。 「やっとおきたか?」 「ここは?」 「我が屋敷だ。」 「学園に戻らなきゃ…」 「明日に戻ると理事長に話をつけてある。」 「理事長に?」 「明日からは、君もナイトクラスに編入だ。」 「何で私が…」 「忘れたのか?お前はヴァンパイアだろ」 「くっ…」
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