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そして次の日の夜。
「はじめまして。桐生空夜だ。」
「桐生って…あの純血の」香が驚いている。
「よろしく。桐生くん」
空夜に手を差しのべたのは劉堡だった。
「ふん。あっ…あともう1つ。入れ」
すると、ドアの向こうから菜実が現れた。
「なっ!?峰堂菜実っ」
またしても香が驚く。
「これは我が義妹の、桐生菜実だ。彼女も、ナイトクラスに転入する」
「どういうことなんだい桐生くん?」
時哉が尋ねる。
「あ?」
「彼女はヴァンパイアではなく人間なんだよ」
「あぁ、菜実はれっきとしたヴァンパイアだ。菜実、牙を見せてやれ」
「はいお兄様」
菜実は皆に見えるように牙を見せた。
「…」
場は静まり返った。
「菜実」
「…はいお兄様」
菜実は髪をどかし空夜は首に噛みついた。
「いやっ…はぁはぁ」
ジュル
「なっ!?菜実っ君?」
「分かっただろ。コイツは俺の義妹で所有物なんだ。劉堡、手を出すなよ。手を出したときはお前を遠慮なく殺してやるからな。他の奴等もだからな」
「はぁはぁ…空夜っ…苦しい」
菜実は苦しみ始めた。
「すまない。部屋に戻ろう。今日の授業は欠席さしていただくよ」
空夜は菜実を抱えて部屋に戻っていった。
「ごめん。大丈夫か?」
「だいじょうぶ…少し目眩が…するだけ…」
「本当にすまない。これからはもうしないから」
「うん。空夜は優しいんだね」
「俺は優しくなんて…」
「ううん。初めはとっても腹が立ったけど。本当の空夜は優しいよ」
「お前だけだ…俺に優しくしてくれるのは。だから、俺の側に居てくれ。これからもずっと…」
「空夜…」
「あっ…すまない。俺は少し劉堡達と話してくるから…お前はゆっくり休んでいろ」
「ありがとう…」
菜実は一瞬で眠りについた。
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