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「なっ…」
「知ってたか?ヴァンパイアはなぁ主の言うことには逆らえない。逆らいたくてもな…」
「あっ…嫌だ…いやっ…」「大人しくしていろ」
すると、急に菜実の動きが止まった。
「いいこだ。なぁお前は俺を裏切らないよなっ」
菜実の目からは大量の涙が流れる。
「何でだよ…」
空夜は菜実の首に顔を埋める。
首を綺麗に舐める。
勢いよく首に牙を突き立てる。
「いっ…嫌だ…嫌だ…嫌だ…止めてよ」
空夜は止めようとしない。ゆっくり菜実が嫌がるように血を吸う。
何度も何度も何度も…
「なんでだよ…お前は裏切らないって…信じてたのに」
空夜の目には確かに涙が流れていた。
「くう…や?」
「俺はまた一人になるのか…?」
空夜の瞳は今にも壊れそうなほどに悲しそうだった。「ごめん…空夜っ。私、ずっと空夜といてあげる。だから、そんな悲しそうな顔しないで」
「菜実…」
「だから…泣かないで」
【大丈夫だよ空夜】
「菜実…ありがとう」
「ううん。」
「悲しいよ…菜実、君がこの先壊れていってしまうなんて」
同時刻、劉堡は月を見ながら涙を流していた。
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