体の変化

3/6
前へ
/55ページ
次へ
「ん…ここ…」 「目を覚ました?」 「時哉?」 「うん。大丈夫?」 「うん…」 「須翁さんっ、持ってきましたよ」 「ありがとう秀哉」 「いえ」 すると時哉は菜実に手を差し出して、手の中の物を渡した。 「これは?」 「それはタブレットだよ。僕達は普段はそれで血の飢えを押さえているんだ。」「水の中に入れてみて」 菜実はタブレットの1つをコップの中に入れた。 水はみるみる内に赤くなった。 「これを飲んで飢えを少しでも押さえて。」 菜実は一口その水を飲んだが、体がタブレットを受け付けなかった。 「うっ…」 パリーン グラスは下に落ちて割れてしまった。 「タブレットを受け付けないなんて厄介な奴」 香がボソッと言った。 「おいっ香」 「ふん」 「大丈夫かい菜実?」 時哉が触れようとしたとき「触らないで」 そう言って時哉の手を振り払った。 「菜実…?」 「大丈夫だから。私の事、ほっておいて…もう、昔の私じゃないの」 「そうだね。ごめん」 悲しそうな顔をして笑った。 そこに、空夜が帰ってきた。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加