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由香子が指をさす方を見ると、クラスの男子達がグラウンドでの授業を終えて歩いているのが見える。
その中で、一番に目がいったのは神木陸。
私の好きな人だ。
「話しかけてきなよ、凛いっつも行動しないんだから。」
「別にいいじゃん。何か、気がすすまない。」
「恥ずかしいの?乙女だねー」
「そういうのじゃないって!」
にやにやしながらふーんと言う由香子を見ながら、肩より少し下まである焦げ茶の髪を結び直す。
好き、というか気になる、っていったほうがしっくりくるかな。
高校に入学して、教室で私の前の席だった陸。
黒髪で、少し長めの前髪に襟足。二重の目に、笑ったら見せる八重歯。
それに加えて明るい性格。
モテているのは当たり前だ。
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