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「・・・あれ?今日は運転手だけなの?」
広い車内を見渡しても、悠と運転手のほかには誰もいない。
「へぇーっ珍しいこともあるもんだねぇ!
やったぁ、広い空間をひとり・・・いや、ふたりじめだぁっ!」
「うるさい」
突如割り込んできた声に、悠は辺りを見渡す。
何?あたし、もしかして幻聴聞こえるようになった?
「幻聴じゃねぇ!ちゃんとお前の前にすわってるだろーが」
悠の心の声は外に漏れていたらしい。
「・・・え?前?」
「他のとこ見てみろ!誰もいねーじゃねーか!」
さっきと同じ険悪な声が、悠の前から聞こえた。
え、あたしの前から?
・・・じゃあ、この声は、
「運転手?」
「だとしたら他に誰がいんだよ」
振り向いた運転手は、仏頂面で答えた。
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