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あたしはひとりぼっちだった。
誰かと喋ることなんて、両親と離れてから、一体何年振りだろうか。
一人言に満足して。いや、満足したように思いこんで、過ごしてきた。
いつしか、慣れてしまっていて、
寂しいなんて感情はとっくに忘れていた。
だから、
「え、なんで、あれ・・・」
悠は理解できなかった。
なんで彼が自分に反応するのか。
―頭の中が真っ白になって訳が分からなくなる。
「あたしとは、話しちゃいけないんじゃないの・・・?」
信号が赤になって、彼はキュッと車を止めると、呆れたようにこっちを見た。
「あぁ?他の奴が何してるか知らねぇけどな。
お前とは話しちゃいけないってお前何様だぁ?!
あほか!そんなん隊のビビリ野郎が勝手に決めたことだろーが!
俺には関係ねぇ。
俺は俺のルールに従ってんだ。」
運転手は一気にそこまでまくしたてると、ポケットからガムを取り出し、口の中にいれた。
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