第二夜 うしおととら

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A「最後の方で登場したのもポイント高かったw」 暁「お前等神力どこ行った?って言いたくなるけどね」 A「それは……ほら、まぁ……」 暁「あとは、流兄ちゃんとか良かったよね。」 A「確かに。最後、白面側についちゃうけど……。もう、自分が読んだ頃は連載終ってましたが、中学1年位の時の自分には納得できませんでしたね」 暁「今は納得できるの?」 A「納得できる、とは言えませんけどね。ただ、世の中を斜めに見下ろしていた流れ兄ちゃんが潮の眩しさに耐えられなくなった、っていうのは何となく共感できますね」 暁「なるほど。なまじっか何でも出来るだけに、自分に持っていない強さや眩しさを持っているうしおを見つめ続けられなかった。そして、何よりもそんな自分を圧倒したとらと殺し合ってみたかった。到底及びつかない考えだけど、これが天才の孤独なのかな」 A「かもしれないですね。もしかしたら、流兄ちゃんはうしおみたいな強い(精神的な意味で)主人公じゃ無く、『からくりサーカス』の初期の勝と鳴海みたいに、守るべき存在として出逢ったのなら違ったかもしれないですね」 暁「そう言う点では、流兄ちゃんとヒョウさんは真逆なのかな」 A「真逆?」 暁「うん、ちょっと独説的だけどね。何でも簡単に出来ちゃう流は、自分の生そのものに意味が見いだせなかった、目的や使命を分からずに苦しんだ。逆にヒョウさんは大切な家族を妖怪(白面の手下)に奪われるところから始まって、外伝で語られたように才能があるわけじゃ無かったのに、復讐と言う目的、使命だけのために必死にそれを学んで、それだけのために生きて死んだ」 A「なるほど、そういう捉え方もありますね」 暁「最後、白面の手下の紅蓮(家族の仇)から親子を守れたことが、彼にとってはきっと最高の終わりだったんじゃないかな?」 A「そして、最後に守った親子の母親から酒を貰って飲みながら、『あいつとなら、もっと美味いだろうな。』って台詞の時には大人になった潮と、少し角の取れたヒョウさんが静かに酒を飲み交わしている絵が頭に浮かんで消えませんでしたね」 暁「意識を閉じたヒョウさんは、愛する妻と娘のいる家に帰っていく、と」 A「ただいまって台詞をあんなに重く感じた事は無いですよ」 暁「せめて、安らかに、幸せに眠ってもらえたらいいね」
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