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じとじとと汗がにじむような夏の日の夜、母勝子の陣痛が始まった。
車を飛ばして、父敏行は明和記念病院に向かい、無事に赤ん坊は産まれた。
名前は誠となずけられ、立派な子になるようにと両親は願っていたに違いない。
誠には、姉が一人いるが、本当ならば、後三人兄弟がいるはずだった。
何故か?理由はいまだに分からないが、母は三度、中絶をしている。
俺を授かった時も、父と母は中絶する予定だったみたいだ。
でも、その時俺のおばあちゃんがこの子だけは産みなさいと母に言ったらしい。
何か色々、理由はあったみたいだがその話を俺は、あまり覚えていない。
とにもかくにも、俺はなんとか中絶を免れてこの世に誕生したのだ。
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