1章 勧誘-迷い

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 そうかな? とシンクは言う。今使ったのは農作業用にアレンジしているが初級とも言える魔法だ。代償も少なく改良していて脳に刹那の痛みが走る程度だが、上達しているか と問われれば答えは いいえ であった。 「カルこそどうなんだ?そろそろ上級も使えるとか噂だが?」 「う~ん、まだ言霊が上手く練れなくて。でも、あと一捻り! とこなの!」 「さすがだな……。僕も頑張らないといけないか。」 「おばさんも、おじさんも魔法上手いんだからきっと平気でしょ?」  たわいない話で盛り上がりながら傾斜の小さい丘を二人で歩いていく。一面に畑が広がり、暑さが気になり始めた6月の風を感じるも話に夢中になっている。そうこうするうちに丘の頂に木造の一軒家がよく見えてくる。
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