6人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
《不変世界なんて存在してはならなかった》
「父さん! お帰りなさい!」
「あぁ、ただいまシンク。」
夜も更けて、月明かりで黄金色に輝く麦畑の通り道。そこは周りをみてば一目みて皆が田舎町だと断言する風景。サナーム国でも国境に近いクリエラ村である。
今日も汗を流したと豪快に笑う、やや細身で金髪の中年男性セイは息子の頭を少し乱暴に撫でた。
もう! と、手を振り切るも嬉しそうなシンクは父の腕を強く握りしめ部屋へと促した。
部屋に立ち込める匂いにセイも腹が減ったな、と同意して足早に歩み出す。
最初のコメントを投稿しよう!