代償の魔法

prologue

《変化とは人だ》

　腰まで伸びた銀色の髪はどこかお嬢様の雰囲気を醸し出している。その女性フレイはエプロンを外しながら、食べましょう？ と、小鳥のような声を発した。

　おう！ とセイが、
　はい、母さん、とシンクが

　二人声を揃えていい、フレイがおかしそうに微笑み、それをみた二人も笑い出す。

　笑顔で満ち溢れる一般的な田舎町の家庭。これが僕の家だ。

「そういえば父さん。」
「ん？どうした？」
「……父さんも母さんも魔法使うよね？出来れば教えて欲しいなって……。」

　控えめにシンクは言う。勿論教わりたい理由はある、両親の手伝いをしたかったのだ。畑仕事でも体を使うがより効率的に作業するため魔法も併用していることは知っていた。