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倒れている赤毛の少年の容姿からはまだ幼さを残しており、女性のような細面をしていた。体つきは少女と変わらないくらい華奢で、その左目には奇妙な眼帯を着けていた。じっと少年を見つめていた彼女は見とれている場合ではないと我に返り、少年の口元から数十センチ手前で呼吸しているかを確認し声をかける。
「ねえ、君大丈夫?」
すると彼女の声にピクリと指が反応し微かに開いた少年の瞼。視界はピントがズレたかのようにぼやけていたが、少女の姿が徐々に瞳に映し出されていく。
「……君は?」
衰弱していた少年は震える唇で問い掛けると再び意識を失う。
「大変!?早く街に連れて行かなきゃ!!」
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