かぐやの君は、いつか。

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時折、どうしようもない不安に駆られる。星降の中に、ボクはちゃんと息づいているのだろうか。 無性に恋しくて、失いたくなくて、つまりは心細くなるそういうときは、一言だけ、呟く。 「寒い。」 そして、星降を後ろから抱き締める。このときが、一番怖い。鬱陶しいって、捨てられるかもしれない。振り払われたらどうしようなんてバカみたいな不安が一気に体を駆け巡る。 触れた瞬間からややあって、振り払われないことを確認すると、ボクはいつもほっと息をついて、ついでに星降の髪の柔らかい匂いを楽しむ。星降は何も言わずに自分のしていることを続ける。これが一番幸せなときだと思う。
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