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それでも、教師が折に触れては高校受験の話をするのを聞くと気が滅入るのは確かだった。
星降の行こうとしている宇宙飛行士の養成学科は、それなりに遠い。僕や喜多達の進むであろうこの近辺の高校には、そういう学科が無いからだ。
僕は星降の夢を応援していたけれど、僕自身もそっちに行くことは考えていなかった。真剣に取り組めるほどの情熱もなかったし、何より星降と何らかの形で別れてしまう事はぼんやりとではあるけれど解っていたから。そうしてアイツの夢の中に一人取り残されてしまうのは怖くて、だから『お互いに自立してた方が良い』なんて自分を誤魔化した。
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