プロローグ

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そう提案され、僕たちはグループに――といっても、羽鳥の提案に反対した紫恩だけが自由行動を反対していたため、実質的に全員が自由行動に賛成、という形になった。 「よし、じゃあ、自由行動にしよう。ただし、集合時間と集合場所は守ってもらう。集合時間は午後5時。ここ、玄関ホールに集合だ。よし、じゃあ解散」 そう羽鳥の掛け声とともに、各々行きたい場所に散らばった。このあと、恐ろしい出来事が待ち受けていることも知らずに・・・・・・。 僕は、その後客室や、中庭、物置などを見て回った。羽鳥から事前にもらっていた見取り図を(この探検を提案する何日か前に下見をして自作したものらしい)見てみると、この屋敷は円形をしているようであった。その、ドーナッツの真中にあいた穴の部分が中庭になっていて、数種類の紫陽花がそこにも咲き誇っていて絶景であった。1階には、食堂や客室、ホール、厨房、キッチンといった部屋の配置になっていて、2階がこの屋敷に住む者たちの部屋に充てられていた。さらにこの屋敷には地下室まである。 僕はまず、1階の客室を見てみた。その客室は、大きさは意外に狭い。ドアを開けると正面に窓があり、その下にもう布団などは無かったがベッドがある。そのほかには一組の机と椅子があるだけの、貧相な作りだった。次に、中庭を見、2階に上がってこの屋敷の主人の書斎を覗いてみた。やはり、正面には窓がある。しかし、カーテンが閉まっているため、中は暗い。落ちているものに気をつけながら、僕は窓に近寄り、カーテンと窓を開けた。
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