僕は・・・

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 「本来、お主はまだ死ぬ運命ではなかったのだ。  子犬とその飼い主が死ぬ運命だったが、お主が助けた事で2つの命は運命から外れ  お主が死んでしまった。ここまではわかるかの?」 優しい微笑みを少年に向けながら聞く。 「はい。なんとなくは分かりました。」 神は頷くと 「ふむ。そこでお主、まだまだ幼い。それに綺麗で優しい魂を持っておる。  お主に1つ頼みがあるんじゃが・・・     地球とは別の世界で転生してもらえぬだろうか。」 ???? 「あの~言ってる意味がわからないです。それに僕は綺麗なんかじゃない。  優しくなんてない。    僕は生まれてはいけなかった子。最低な子なんです。」 神は首を捻りながら悲しそうに 「人の命は簡単なものではない。生まれてきた意味が必ずあるのじゃ。  生きていく事は難しいことばかりだが、生まれてはいけない人間なんて一人もおらん。  お主は今まで誰にも相談せず何もかも一人で背負って追ったんだな。」 神様の優しい声、言葉を聞いていたらいつの間にか 僕はなぜか涙を流していた。 言われたことは、僕には難しかったけど、今まで一人で抱えていたものが少し軽くなった気がした。 けど、母さんの事、父さんの事を思い出して、涙が止まった。 僕のせいで二人を不幸にしてしまったのに、僕が泣いてはいけないんだ。 これ以上何を言っても少年を余計に悩まし傷付けていまいそうで しばらく時間を置いた。 神は辛そうな、悲しそうな顔をしながら 「お主に、魔法や剣がある世界を救って欲しいのじゃがそこへ転生してもらえぬだろうか。  お主の心の優しさで沢山の人を救って欲しい。  行ってくれんかの?」 少年は先ほど言われていた事を思い出し 「僕が・・・ですか?」 神は優しく頷く。
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