46人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから1週間はたった。ちゃんとした食べ物を食べてないせいかちゃんと頭が回らない。
「ハハッ。僕このまま死んじゃうのかな。」
乾いた笑みを浮かばせながら呟く。
「このまま、死んじゃった方がみんなを不幸にしないしいいのかな…」
でも…テトラスさん。ギルドのみんなは僕をいつも助けてくれた。
なのに僕はお返しもせずに死んじゃうの?
そんなの嫌だ!不幸にしないために強くなるって決めたんだ。
沢山鍛錬したし、1ヶ月乗り越えて魔法を教えてもらうんだ。
僕がみんなを守る!
それが、僕がみんなにできる恩返しなら。
琢磨は再び決意しその目には微かな光が灯り始めていた。
「生きていくために・・・」
小さく呟き森の奥へと進みだした。
「あっ!見つけた。」
琢磨の目の先は茂みの中にいるウサギだ。
その姿は普通のウサギの2倍の大きさでいて
角獣の角のような立派な螺旋を描いた円錐の角が額から一本生えていた。
突き刺すために発達したとしか思えないそれを持ったそのうさぎは
ホーンラビットと呼ばれる魔物であった。
ホーンラビットは周りを時たまその長い耳をピンとたて警戒しつつも、むしゃむしゃと草を素食している。
「ふぅ~。」
気づかれないように小さく深呼吸をし、決意を固め右の腰に下げてる剣を抜く。
「はぁっ!!」
勢い良くホーンラビットを切りつけるが角に当たり致命傷与えきれていない。
ホーンラビットは突然のことで反応が遅れたが威嚇し今にも襲いかかる勢いだ。
先に動いだのは琢磨。
ーーーーーやらなきゃ、やられる。
意を決し、勢い良くジャンプし首を狙い切りつける。
それと同時にホーンラビットの角が琢磨の腹に狙いを定める。
剣が先に切りつけるか、角が刺さるか…
最初のコメントを投稿しよう!