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母さんがこうなったのは僕が5つの頃。
母さんはどこかの社長と不倫をしていた。
その社長は僕の父でもある。僕にとても優しくしてくれて大好きな父さんだ。
僕から見てもお互い愛し合っていたように見えた。
僕は不倫なんてものは知らなかったし、お父さんは忙しくてたまにしか会えないものだと思っていた。
でも、5年もバレずに過ごせるわけはなかった。
何度か知らない女の人が怒鳴り込んできたり、暴れたりしてるのを目撃したことはあった
けど、僕には何があったなんてわからなかったし、こんな大変なことになってるなんて知らなかった。
公園で父さんとキャッチボールをしてお母さんが優しく見てた。
それが僕たちの日常だった。
それは急に崩れてしまったのだ。
ギヤャャャッャーーーーー!!
恐ろしい顔で聞いたことのない叫び・・・
刃物をもった女の人が僕に向かって走って来た。
僕は目を見開きながら自分に起こってる事がわからず、恐怖で動く事もできずに
アタフタしていたが急に何かに抱きしめられた。
それが父さんだという事にビックリしながら声をかけると
「すまないな」
それが最後に聞いた父さんの言葉だった。
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