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2年が経ち、今は7歳になる。まだ父さんは目を覚まさない。
今では殴られる事しかしらない。
心に穴が空いたような日々。感情なんてものもわからなくなってきた。
殴られる事は当たり前で気を遣う日々。
毎日そうやって過ごしてきたから、僕には何が正解で何が不正解かなんてわからない。
コンビニに朝食を買いに行こうと
後頭部を冷やしながら座っていたベンチから腰を上げると、めまいが起きた。
あぁ~クラクラする。
ゆっくり歩いていると、目の前に綺麗な髪の女の人が可愛い子犬を連れ散歩をしている。
早朝に、よく見かける人だ。
そう思っていると向かい側の歩道で何かを見つけたように子犬が走り出した。
いきよいでリードが手から離れてしまって女の人が必死に呼びながら子犬を追いかけようとしている。
女の人は周りを見ていないのか、道路にはトラックが迫っているのにも気づかない。
僕は思わず、自分の限界まで足を早めて女の人を越し
子犬を向こう側の歩道に投げた。
その後、目眩がまた襲ってきて立つ事すら無理そうだ。
トラックはもう目の前にきても、僕は動くことができなかった。
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