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彼は不安そうに言葉を続ける。
「もしかして…寝ぼけて変なこと言い…ましたか???」
彼の言葉でさっきのキスを思い出す。
ほんの少し触れただけなのにまだ熱を帯びているように感じる。
『…キスされたなんて恥ずかし過ぎて言えない!』
私は出来る限りの力いっぱいに首をふる。
ほっとした表情を浮かべるソンジェ君の後ろ。
【新大久保】の看板が見える。
『この駅で降りなくちゃ!』
動こうとするけど…
『全然足が動かない…。』
半分諦めうなだれていた私の体は次の瞬間ふわりと浮いていつの間にか私はソンジェ君に抱き抱えられていた。
「あのっ!ちょっと待ってください!」
「動かないで?…落としたらたいへん。」
その言葉に思わず体を丸めソンジェ君のブルーのパーカーの裾を少しだけ握る。
そのままホームのベンチまで私を運ぶとそっと下ろしてくれる。
「ここでしばらく休んで。…足、ごめんなさい。」
それだけいうとそのまま立ち去ってしまった。
『今の…なんだったんだろう…夢???』
それを否定するように私の両足はジンジンしていた…。
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