幸運のチケット

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どのくらい経ったんだろう…。 いつの間にか眠っていた私は膝の違和感で目が覚める。 開けた目に飛び込んできたのは見ず知らずの男性の後頭部。 茶髪に染められたサラサラヘアーが少し乱れている。 知らない男性に膝枕をしている状況の自分自身が理解できない。 どういう流れからこんな状況になったのか…。 ずいぶん前からそうしているのか両足はすっかりしびれていた。 「…あの…。」 恐る恐る男性に声をかける。 がしかし起きる気配がない。 もう一度体を揺すりながら声をかける。 …とくるりと私の方に寝返りを打つとのっそりと座席の背もたれで自分の体を支えながら起き上がる。
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