壬生浪士組

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~side土方~ 大量に山積みされた書類を見ながら、土方は軽い休息をしていた 土「…チッ、得体の知れねー輩を連れ込みやがって」 吐いて捨てた言葉は、誰に向かうでもなく落ちては消える そんな独り言をしばらくしていると、不意に気配を感じた 島「島田です」 土「入れ」 島田には、月白に探りをいれさせていた 俺のとこに来たってことは、素姓が知れたか? なんにせよ、期待は持てそうだ 土「随分速ぇお帰りじゃねーか…期待していぃんだろうな?」 振り向き様の一言で、島田は悟った 見れば、うっすらクマができている 島(書類が減っている…あれからずっと仕事していたんだろう) コトッ 土「…どーした?速く言えよ」 島(機嫌が悪いな…手短に対応しよう) 一呼吸おき、慎重に言葉を選ぶ 島「…報告いたします。結論から言うと、刀以外は何も掴めませんでした」 土「…チッ、油が切れてやがる! …で?その刀とやらは何だ?」 島「あの刀は、青龍刀です。三ヶ所にいる知り合いの刀鍛冶の情報ですが…」 土「青龍刀だと!?」
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