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ガヤガヤ
賑やかな昼下がり
人でごった返す往道を、私と舞さんは歩いている
鉄ではないという刀を左に
姿勢を崩すことなく歩く舞さん
白鞘を横目に、私は良からぬ事を考えていた
沖(…戦力になりそうですね)
最も、土方さんも同じ所に行き着くでしょうが…
彼女の疑いが晴れれば、土方さんなら私と同じことを考えるはず
そうすれば、彼女を手放さずにいられる
沖: ニヤ
近々出て行こうとしている舞さん
引き止める確固たる理由さえあれば、この檻で一生飼う事ができる
―屯所とゆう檻でね…
沖田は、初めて好きになった舞を手放す気がないのだ
しかし、女人禁制の世界
そんな環境に彼女を永住させることができないのは、百も承知だ
絶望的に思えた当初だったが、手合わせをし、
隣を歩く姿を見て希望が生まれたのだ
―軽いとは言え、重くない訳ではありませんからね……
そう、刀とは重いモノ
いくら軽減しようと、腰に差して歩くのは容易ではない
それは力量にも比例する
普段からブレのない姿勢、対峙した時の構え
それだけで、弱者は劣っているのだから
沖(舞さん、あなたは期待以上ですよ♪)
―だから、絶対逃がしません…
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