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舞「~。~で…~らしく…ッて、聞いてるか?」
舞は不満そうに私を見た
緑の瞳が日に透ける
澄んだ色に思わず見とれてしまう
沖「聞いてませんが、何か?(黒」
舞「…(怒」
あぁ、気を悪くした貴女も可愛いです
そんな事を思う私は、変でしょうか?
舞「沖田…私は、2日後に江戸に発とうと思う」
彼女の口から、別れの言葉が漏れる
いつか聞くだろう台詞は、予想に反して早いものだった
沖(…そんな言葉が聞きたいんじゃありません)
沖田の心が、よりいっそう黒くなる
鷲掴みされる心臓
ギュッと痛むそれを理性で抑えた
―逃がしませんよ…どんな手を使っても―
自分でも怖いくらい執着している
日に日に増す思いは、凶暴ささえ帯び始めていた
何がそうさせるのか…あえて言うなら、その強さだろうか
目覚めた瞬間
優しく微笑んでくれた事が、純粋に嬉しかった
対峙した瞬間
ブレのない剣気が、清廉で美しかった
・
これは、恋だ
そう認識するには、私の心は幼過ぎたのかもしれない
沖「…舞さん、私…貴女にとても感謝してるんです」
舞「…?」
緑と紅、真逆の色彩が滲んだ
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