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~side斎藤~
最近、俺の睡眠は妨害されている
沖田が連れてきた月白と言う女は、どこからどう見ても気が抜けない
斎(狸寝入りも疲れる;)
毎晩のように発情期な沖田はさて置き、俺は別の意味で不眠だ
沖『一君、気を使って下さいよ(黒』
―こっちの台詞だ(怒…
沖田が彼女に執着する理由は解せないが、この状態が長引くのも良くない
小さく溜め息を吐いた斎藤は、木刀を握りしめた
中庭で一人素振りをする、その頭上には雀が二匹、瓦で鳴いている
斎(あの白鞘…本鞘が何故無いのだろう?)
ブンブンと木刀が鳴く
黙って降り続ける体と平行し、頭も止まる事無くフル稼働している
斎「…ハァ ハァ」
沖「随分考え込んでましたね」
斎「…あ…!?」
沖「どうかしましたか?」
振り返ると、満面の笑みの沖田
けれど、その腕にはグッタリと横たわった月白がいた
晴れやかな沖田の顔は、心なしか艶やかだ
斎(……)
もう何も言うまい
沖「ヤだなぁ…そんな目で見ないで下さいよ♪」
他人の色恋に興味は無い
が、火の粉は御免だ
無言で回れ右をすると、副長の部屋へと急いだ
斎(屯所に女など置くから、こうなるのだ)
だんだんと遠退く斎藤の背後で沖田はニヤリと笑っていた
沖「フフッ♪上手い具合に勘違いしてくれましたね//」
―これで貴方は檻の中です…
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