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~side沖田~
スヤスヤと眠る舞さんを布団に乗せると、その綺麗な顔にかかる髪をすくう…
微かに濡れている睫毛に触れれば、もっともっとと欲が疼く
沖「…舞さん」
熟睡している彼女が答えるはずはない
それでも応えて欲しいと思うのは、ただたんに声が聞きたいだけじゃなくて
沖「…舞」
瞼、頬、首へと手が滑る
鎖骨を撫でながら、私の手は肩へとたどり着いた
沖(…気付いて下さいよ)
―私の名前を呼んで、私に応えて下さい!…
初めての感情は、出会った瞬間から急速に成長し、自分の意思ではどうしようもないものになっていく
まるで人を斬った後のような高揚感に、私の理性は飲み込まれそうだった
沖「……チュッ」
首筋に軽く痕をつけるが、もちろん足りない
薄暗い部屋に響く小さなリップ音
右脇に乱雑に置かれた刀
その鞘を私は手探りで握りしめ
脇差しを抜くと、白い肌に軽く刃先を当てた
沖「…起きて下さいよ」
愛しい…苦しい…
そして、私の思いは答えを探す
沖(…あぁ、血の味がします)
浅く斬れた首
その傷口に吸い付けば、少しは鎮めると思っていた
幼い沖田の心は、これは殺意だと
そう思うことで、平静を保とうと必死なのだ
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