空から落ちてきた少女

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あれから12年の月日が過ぎた。 俺、岡崎隼人は高校二年生になり、私立桜姫高校にかよっている。 ごく普通に、高校生活をたのしんではいるものの、あいつがいないのでつまらなく感じる時もあった。 あいつとは12年前、一緒に遊んでいた女の子のことで、俺の初恋の女の子でもあった。 しかし俺は、情けないことに、いつのまにか初恋の女の子の名前を忘れてしまっていた。 彼女はいまどこにいるんだろうか…… 教室の窓から空を見てそう思った。 「隼人!何物思いにふけった顔してんだ。」 「すまん。考え事してた。」 彼は神崎わたる。小学生の時からの腐れ縁で、良き親友である。 「あまり深く考えるなよ。」 「あぁ。」 その後まじめに授業を受けて、あっという間に放課後がきた。 「これからCD屋行くんだが、隼人もくるか?」 「今日は遠慮しとくわ。」 「わかった。じゃあな!」 「じゃあな!」 わたるは走って教室出て行った。 そろそろ俺も帰るかな。俺はかばんを持って教室を出た。 俺はゆっくり歩きながら家に帰った。 「ただいま。」 「おかえり!ちょうどいいわ。隼人買い物にいってき て!」 「わかった。」 俺は制服から私服に着替え、母さんからエコバッグをもらって買い物にいった。
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