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だから俺は彼に言ったんだ、「もうお前は必要ない」って。
今までさんざん振り回しておいてそれは酷いって?
分かってるさ、でも好奇心もあったんだな、俺という縛りがなくなった彼がどういう風に生きるのか。
彼は最初、何を言われたのか理解できないとでも言うように黙って俺の目を見つめていた。
そこに何を見たのか、彼はやっぱり無表情で何も言わないままに俺の隣からいなくなったという訳だ。
俺は、それからの彼をずっと見ていた。
彼は、まるで俺といた頃とは別人のように普通の人間をやりだした。
泣いて、笑って、怒って。
たくさんの人間に囲まれて、絵に描いたような幸せな生活を送っていた。
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