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「…ただの憶測でよければお答えするよ、オレだってキミをここまで運んだだけでどうしてまでは知らないからね」
「僕を運んだ…?」
「キミは倒れていたんだよ、運良く歩道にね」
歩道に倒れていた?
…何も思い出せない。
「近くにはフラグを拾った車の事故跡と死体が何体か、唯一まだ息していたキミを助けたんだよ」
「フラグ、です…?」
「まあまあ置いといて、ここから取れた憶測は、キミは誘拐された一人で犯人と他の子供達も運が無かったってとこだね」
「誘拐…っ!?」
「縄で縛られていたからね」
そう言われて頭を押さえていた手を離し腕を見れば確かに縄で縛られた跡があった、誘拐…?もしかしてその時の恐怖から記憶が無くなったとか?……わからない。
「頭が…痛いのです、その時にきっと打ったのですよ…」
「はて、かすり傷ばかりのようだったけど…、共鳴のせいじゃないかな」
「共鳴?さっきから意味がわからないです、の……」
やっと頭を上げて車椅子に座る青年の顔をしっかりと確認、そして見間違えかどうかまじまじと見てしまうその頭には真っ直ぐ二つ伸びる可愛い兎の耳があった。
「まあ置いといて、それよりドブネズミくん、名前はどうしようか?」
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