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「…次いっていいかい?」
「……とりあえず全部聞いてあげますですの」
今更すぎる疑問なのだが、ですのですよっていうような不快な語尾がついている、本当に今更なのだがそれほどにいつも使うような感覚だった。
いつの間にか無くなっていた頭痛から、不思議なようにこの状況があまりおかしなこととは思えないのだ、頭では理解しているつもりなのだが驚く必要があるのかそんなに不老不死を拒む必要があるのか、と思ってる、まるでこれが今までの普通かのように。
「じゃあ共鳴についてだね」
「わかりやすくお願いするですよ」
「うーんそうだね、じゃあキミの共鳴の仕方を例に説明するよ」
彼の長い耳がぴくぴくと何度か向きを変えてはまたこちらを向いた状態で止まった、基本は話をする方に向いているのだろうか?周りに気が逸れると確認するかのように音を拾おうとするのか、…兎だもんな。
「まずキミは死にかけだった、そして……ふむ、0時回る前くらいに、この近くで狩りをしていた野良猫に獲物として目を付けられたであろう逃げていた鼠がいたようだ、きっと捕まって左耳をかじられたんだね、キミによく似合ってるよ」
「えっ?かじられてるのです!?」
「よく似合ってるよ」
「…もういいですの、早く共鳴の説明をしやがれです」
「おや口の悪い」
「早く、です」
「…わかったよ、つまりは鼠も死にかけだったのさキミと同じように、そして同じようなことを思考して共鳴した」
同じことを思考…、それで共鳴か……。あれ何でそんな鼠のことを知ってるんだ?
「まあ死にたくないとかその辺りじゃないかい?」
「…それならドブネズミでも確かに思うですの」
でもドブネズミなんかと共鳴だなんて、…ついてない。
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