PART 2

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「あー、やめやめ」 頭の中をぐるぐる回るばかりで答えの出ない思いは取りあえずうっちゃっておくことにして、僕は起き上がった。 遠い将来より目先のデートだ。 というわけで、机の引き出しからそのテの雑誌を取り出し、ベッドの上に並べる。 ついでにハイパー戦隊のレッドさんにメールして、デートの必勝法を訊いておくことにした。 自分にいちいちつっかかってくるブラックへの対処法を相談されて以来、レッドさんとはメル友だ。 硬派に見えてホワイトとよろしくやっていたりするので、こういうときには重宝する。 ヒーロー同士の恋愛は自由だ。というか、むしろ推奨されている。 人口の二十万分の一に満たないヒーローの血統を残すことは極めて重要で、近親婚すら黙認されているのだ。 「さてと……」 メールを打ち終えた僕は、持ち物検査に取りかかることにした。 「財布良し!映画のチケット良し!手鏡アンドブラシ良し!折りたたみ傘良し!」 指差し確認は基本中の基本だ。 「あとは……」 キシリトールガムを握りしめ、グフフフ……と笑う僕の背に、氷点下の声が浴びせられた。 「バっカじゃん、あんな普通のコのどこがいいわけ?」 振り向くと、部屋の入り口に学ジャー姿の妹が仁王立ちしていた。
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