PART 2

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おかげで親父が引退してからこっち、『ゴールデンボーイ』は大忙しだ。はた迷惑ったらありゃしない。 「とにかく、もうちょっとシャンとしてよね。サポートするこっちの身にもなって欲しいわ」 「それならお前がメインを張ればいじゃないか」 必殺技あるし。 「そりゃまぁあたしは、正義の名の下に敵をぶっ殺すのがダイスキだけどさ……」 なんと邪悪な笑みだ妹よ。 「……長子相続ってのがパパの方針なんだから仕方ないじゃん」 まったく、あのアナクロ大魔神め。 「ってことで、精々頑張ってよね、オニイチャン」 夕妃は背を向けた。嫌みタイム終了のお知らせに踊る僕の心に、背中越しの言葉が突き刺さる。 「普通のコと付き合ったからって、普通になれるわけじゃないんだよ……?」 ドアが閉まった。 その木製の板をしばらく見つめた後、僕はベッドに大の字になった。 「『職業選択の自由』ってのは、基本的人権じゃなかったかなぁ……」 答えてくれるものは誰もいないのだった。
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