PART 3

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その人々が叫び声をあげながらてんでバラバラに走り回っている。 典型的なパニック状態。どうしていいか、逃げるにしてもどこが安全なのか判断できないでいるのだ。 闇雲に駆けながら、恐怖に見開かれた目を時折ある方向にちらちらと向ける。 その視線の先にバグがいるのだ。 『あたしは避難誘導で手一杯なんだから、キリキリ働きなさいよね!』 『ーー犠牲者は?』 恐る恐る訊いた。 『子供が二人ーーグズグズしてるとすぐに増えるわよ』 「子供ーー」 不謹慎ながら、僕は安堵の息を吐き出した。 三田さんは巻き込まれてないようだ。ならば早いこと片付けてしまおう。 それにしても、よりにもよってこのタイミングとはね。 神様ってのは意地悪だよ本当に。 「ゴールドフラッシュ!」 逃げるのに必死で、だれもこっちを見てはいない。 それでも変身時に隠れるのはもはや習性だ。
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