エピローグ

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……秋の空はただ青かった。 バグ消失から一時間あまり。 公園の外周にはすべて幕が張られ、内部は防衛省特別チームの縄張りとなった。 忙しく働くスタッフたちを尻目に、報告を終えた僕はぼんやりと空を眺めていた。 「お兄」 僕同様今は変身を解いた夕妃が、僕の傍らに立つ。 「今ママから連絡があってね……」 そこで言葉を切る。上を向いたままの僕を訝しんでいるのだろう。 「ひぃくん……泣いてるの?」 「まさか」 僕は即答した。 悲しいときに泣くには、僕の涙腺は鍛えられすぎている。 「それより、母さんなんだって?」 「ああ、今回は評価が高そうだから、前祝いで外食しましょうって」 「そうだなぁ……久しぶりにパーッとやるか」 「じゃ、決まりね」 滅多にない機会に、夕妃の声が少し弾んでいる。 「何にする?焼き肉?フレンチ?」 「お寿司がいいなぁ。ワサビが効いたやつ」 僕は答えた。 それなら、少しは涙も出るだろう。       ーー ENDーー
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