Mark

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「で、なんでここに来ようと思ったんだ?」 「・・・」 「俺に言えないようなことか?」 そりゃあ言えないよ、たくやくんに会いたくて来ただなんて… 「俺らさ、昔は家も近くてよく遊んでたよな~。愛美泣き虫だから転んだだけで泣きわめくし、俺におんぶねだるし本当に甘えん坊だったよな愛美は。」 「そんなことあったっけ~?」 「ぜってぇ覚えてるだろ、お前。」 「アハハッ、そんなの忘れちゃった~」 「おまっ…ハハッ」 たくやくん、あたしとの日々のこと覚えててくれてたんだ~…凄く嬉しくてたまらない。 「でもな、愛美。今の俺らは先生と生徒なんだ。だから昔みたいに下の名前呼んで、おんぶもしてやれない。・・・だから「愛美」ってお前のこと呼ぶのは今日で最後だ。今まで通りには出来ない。俺のことは昔みたいにたくやくんなんて呼ぶな、俺も愛美なんて呼ばないから。」 「えっ…」 なんで、そんなこと言うの? あたしは誰よりもたくやくんが好きなんだよ?今までも、これからも。 なのに、たくやくんはまるでそれを拒んでるみたい。 昔の二人の思い出も、 あの約束も無かったことにするの? 気づいたら頬は涙で濡れていた。 「泣かせて悪いとは思ってるけど、昔みたいに涙も拭いてやれない。愛美、それが先生と生徒の関係なんだよ。・・・俺たちはもう子供じゃない。」
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