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「あれ、勉強してるの?」 乾いたタオルで頭をゴシゴシ擦りながら、惺ちゃんはリビングにやって来た。 「宿題なの。惺ちゃんは、お風呂早いね」 「シャワーだけだから」 お母さんから冷たい麦茶を受け取った惺ちゃんは、そのまま私の隣に腰掛けた。 「......惺ちゃん、なに?」 隣から熱い視線を感じた私は、プリントに向かったまま問いかけた。 「ん?真面目だなーと思って」 「真面目も何も宿題だし」 「オレは宿題プリントは家でやらなかったなぁ」  「え!?」 惺ちゃんの言葉が意外で振り向くと、私の反応を予測していなかったらしい惺ちゃんは驚きの表情をしていた。 「え、何?そんな反応するとこ?」  
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