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「......どうした?」
表に出たわたしの目に、玄関の灯りに照らされた惺ちゃんの驚いた顔が飛び込んできた。
勢いよく開いた玄関の扉にびっくりしたようだった。
慌てて階段を降りてきて跳ね上がった心拍数と呼吸を落ち着けながら、後ろ手に静かに玄関の扉を閉めた。
惺ちゃんの声は思ったよりも落ち着いていて、泣いているようには見えなかった。
......ただの早とちりだったかも知れない。
何でもなかったかのように家の中に戻りたいと思った。
けれど、惺ちゃんの瞳はわたしをしっかりと捉えていて。
しかも、いきなり外に飛び出してきた私を不思議そうに見ている。
今さら、何でもなかったようには出来そうもない雰囲気だった。
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