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「久しぶり過ぎて、一瞬誰だか分からなかったよ。 大きくなったなー」 「育ち盛りだからね」 目の前でニコニコ笑う惺ちゃんに、わざと可愛らしくない反応をして見せた。 久しぶりに再会した惺ちゃんは地元を離れた時よりも大人っぽくなっていて、何だか知らない人のようにも感じられた。 「盆休みが急に取れて帰ってきたら親居なくてさー。 携帯も実家の鍵も持ってないから、ホント焦った」 ははは、と笑う惺ちゃんの笑顔は少しも変わってなくて、何だか安心した。 「ご両親は確か、お盆だから実家の墓参りに行くって話されてたと思うわよ」 冷えた麦茶を惺ちゃんの前に差し出すと、お母さんはニコニコしながら話した。 「え、本当ですか?困ったなー」 頭をポリポリと掻く惺ちゃんを見て、お母さんは笑顔を崩さずに話した。 「あら、だったらウチに泊まっていけばいいじゃないの」 「そんな、ご迷惑じゃ......」 「迷惑だったら、初めから提案したりしないわよ。 それに、おばさんだって、惺珸君のこと息子みたいに思ってるんだから」 「......」 笑顔のお母さんとは対象的に真顔の惺ちゃんは、どうやら色々と思案しているようだった。 「ひかりも、久しぶりに惺珸君と遊べたら嬉しいわよね?」 「う、うん......」 急に話を振られて、頷くことしか出来なかった。 「......ありがとうございます。 それじゃ、すみませんがお言葉に甘えさせていただきます」 惺ちゃんはお母さんと私にペコリと頭を下げた。  
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