さよならのカウントダウン

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検診中に、もうグラグラだからと、医師が一本ダイの牙を抜いた 驚くほどあっさりと抜け、血が出ることもなかった ダイは八歳だった 家猫は、大事に育てれば二十年生きると医師は言う 「これはもう、年寄りの歯やな」 抜いてもらうと、ずっと開きっぱなしだったダイの口が閉じた 歯の噛み合わせが悪くて、口を閉じられなかったのだろうと医師は言った
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