幼き頃

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…思えば、ダイは妹のわがままでうちの家に来た子だった うちには当時、ハナという小さな子猫が一匹いた 甘え盛りのその子が、育ての親ともいえる私になついているのが、妹にはうらやましかったようだ 私も、子供の頃、母に一番なついている猫を見て嫉妬していたから、気持ちは解る けれど、さすがに反対した 「私も、私に一番に甘えてくる子猫が欲しい!」 そんな理由で猫を育てられるわけがない ご飯をあげる、トイレの掃除をする、構って愛情をたっぷり注ぐ およそ子供の気まぐれで出来る行動ではない 猫は生き物なのだ、自分の好きに出来るおもちゃではない とある雑誌のツテで子猫をもらうと言い出した母に、私は猛反対した しかし、ダイはうちの家にもらわれてきた 思えば運命だったのだろう
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