父の味

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実は、父はこれを私に数回作ってくれたことを、全く覚えていないのだ。 もしかしたら、気まぐれでできたのかもしれない。 偶然の産物だったのかもしれない。 でも、私はこの出汁さえ入っていない卵雑炊が今でも好きだ。 味噌と胡椒の割合を工夫するだけで、その日食べたい味に簡単に調整できる、この雑炊が好き。 簡単だけど、お粥だけではもう飽きた時には、お薦め出来る、ちょっとだけ自慢で誇らしい料理。 それが、『卵雑炊』。 .
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