第一章 悪鬼羅刹の猫娘

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「さて……と、年貢の納め時だぜ………覚悟はいいかよ」 勝利を確信し、女性が浮かべるべきではない悪どい笑みを浮かべて強くナイフを押し付ける。 アマンダの首にはうっすらと血が滲み、呼吸するだけでも皮膚が裂け、刃が食い込んでいく。 こうなると、反撃しようと身体に力を入れれば、確実に喉は切れ、頸動脈を切断されて死に至るだろう。 「ケホ……レヴィリ………まて……」 アマンダは極力身体に力を入れぬよう、掠れたような声で命乞いをする。 しかし、相手は残虐非道と名高いキャットレディ。 そのような言葉を聞き入れる女ではない。 「オイオイ、往生際が悪いぜ。お前だって散々やらかしてきただろうがよ……」 「レヴィリア……お前………【玄武】にも……【ブルース】にも狙われ……てるだろう……?」 「………だからなんなんだ?」 「私が……道を………作ってやる………だから……離せ……」 【ブルース】とは、レヴィリアがつい先程まで契約していた組織だ。 【玄武】とは、その【ブルース】と敵対している組織である。 そしてレヴィリアは玄武の幹部を何人も暗殺してきた。 その事が、レヴィリアとブルースとの関係がバレそうになり、ブルースはレヴィリアの殺害、口封じを決行。 ……が、レヴィリアはそれを返り討ちにした。 しかし、これからは玄武とブルースの二つの組織から狙われる事となる。 アマンダはそれを知っている。 だからこそそれを餌に命乞いをしようとしているのだ。 「道……?馬鹿な事を言うんじゃねえよ。奴等からは逃げられねえ。戦って……戦って、戦い抜いて奴等を皆殺しにする。それしかねえのさ」 「いや……無理だね………このままじゃ…アンタは…殺されるよ。私も……アンタの始末に失敗したんだ。逃げなきゃ殺される。そして……私と………レヴィリア、アンタなら逃げ切れるのさ……」
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