教授と呼ばれる大バカ野朗

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図書委員の女の子とは毎朝、顔を合わせる 僕は彼女の名前を知らないが、彼女は僕の名前を知っていて時々呼んでくる 呼ぶときの理由は大体が 「ねえねえ!ココってどうやるの?」 と、宿題の答えを聞いてくる 無視して本を読んでいると、声の音量がドンドン上がり、落ち着いて本が読めなくなる 渋々、僕は宿題を教えている 僕はこの学校ではちょっとした有名人だ 僕の脳味噌の中ではもはや中学校レベルの知識はもはや常識だ 僕の頭脳は先生曰く、「大学教授レベルだね」らしい 僕にとっては母のクイズに答えられればよかったので、教授レベルだろうと、小学生レベルだろう興味はなかった しかし、他の人たちはそうではなく、「教授」と祭り上げられた僕には彼女のように多くの人達が宿題やテストなどを聞いてきている 彼女は今日は宿題で分からないことは無いらしく、静かに本を読んでいる 題名は「必見!お友達100人の術!!」 彼女は僕と違い友達は多い方の筈だが、誰かと友達になりたいのだろうか そんなことを思いながら僕は今日の母のクイズの答えを探すために、機械の構造を詳しく載っている本を探し始める 数分で僕は五冊の本を集めた 四冊は機械構造をとても細かく乗せた本だ もう一冊は工業界の専門用語集だ コレがないと僕はこの四冊の本を十分にいかせない そしてこの本たちを読みふけっていると キーンコーンカーンコーン 規則正しくチャイムが鳴った 「チャイムが鳴った!ほら!教室行くよ!」 僕は首根っこを掴まれ、引きずられるように教室に行った もちろん僕は本を手放してはいない
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