教授と呼ばれる大バカ野朗

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教室に到着する 僕は抵抗はしないものの、ちゃんと歩かなかったため時間が掛かり、遅刻 もちろん彼女も遅刻だ まったく、僕に構わなければ遅刻なんてしないのに 「ああ!よかったぁ、来ましたね!さあ、座って座って!ホームルームを始めますよ~」 この人は僕の担任の教師だ 30を過ぎている女性の教師だが、とてもおっとりしている この人の怒った姿を見るのは、それこそ天地がひっくり返らないとあり得ないだろう 僕達は言われたとおり、席に座った 僕の席は廊下側の一番後ろ 僕からしたら、誰よりも早く教室を出れるので一番ベストな席だと思っている そして図書委員の彼女は僕の隣だ 何故か誰かに頼み込んでまで交換して貰っていたのだが、理由が不明だ 僕には分からない利点があるのだと勝手に判断する 先生が色々喋っている中 僕は黙々と本を読んでいる ペラペラ そんな音だけが僕の耳に入ってくる だが、いつしかそんな音も聞こえなくなっていった 最早、視界と前頭葉と右脳、左脳しか使っていない 僕は四冊全てを頭にぶち込んだ もう、どの本のどのページの何行目に何が書いてあるかまで綺麗に覚えている しかし、母のクイズに対する答えにはまだ一歩足りない その為、僕は新しい本を取りに行くために席を立った すると教室中の視線が僕に集まった 隣の図書委員の彼女でさえも僕を見上げている 僕はワケも分からず取り合えず前を向く 黒板には長ったらしい数式が並ぶ 「お!珍しいな!!よし、お前これ解いて「X=5√7」 僕は数学教師が言葉を全て言い終える前に答えを言った 数学教師は少したじろぎながらも僕の答えを黒板に書いていく 失敗した、今は授業中だ…図書室には行けない そんな事を思いながら工業界用語集の本を眺める 時計を眺める 今は二時間目、どうやら僕は朝のホームルームの時間と一時間目をずっと自分の世界に入って本を読んでいたようだ あまり面白くも無く、完全に理解してる授業を聞いているのも嫌いじゃないが、この時間は余りにも不毛だ そう思っていると隣の図書委員の彼女が僕をつついているのが分かったので、振り向く すると彼女はニッコリしながら聞いてきた 「ねえねえ、ココってどうやるの?」 僕は暇つぶしのつもりで彼女の問いに答える そんな事をしているとチャイムが鳴った 僕は真っ先に立ち上がり教室を後にする
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