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驚いた彼の顔。
まさか、私からそんな言葉を言われるなんて思ってもいなかったのだろう。
そして、困った顔をしたかと思うと、一瞬にして彼の心の戸が閉まる音が聞こえた。
あぁ、私は彼の踏み入れてはならない領域に、初めて一歩足を踏み入れたんだ。
……
「寂しい思いをさせてごめん。俺が、男がそういうのを見るのは漫画本を見るのと同じだから」
そんな返事をもらった。
わかったような、わからないような。
それでもギュっと抱きしめられて安心した。
その夜から、私の部屋で一緒に眠った。
でも、夜中に旦那サンは布団から毎日そっと抜け出し、隣のドアが閉まる。
鍵が掛かる音が聞こえた。
その音を聞く度に、私の全てを拒絶された気分になった。
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