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極東支部第一部隊隊長はメンテナンスをしていた神機がついさっき終了したと聞いて、地下にある設備所へと足を運んだ。
機械油の匂いを纏い天井並べられた大量の照明器具。
エレベーターからでると目の前に1人の少女が近付いてきた。
「お待たせ、今回は特に問題は無かったわよ」
頭には作業用のゴーグルを付けて頬に機械油が付着していた。
タンクトップに作業ズボンの少女のは名前は楠リッカ。
極東支部の整備士であり、新型と呼ばれる可変型神機を中心にメンテナンスをしてくれている。
「いつもすまない。リッカには足を向けて寝れないな」
「いいわよ、これが私の仕事なんだしね。あっ、サクラも異常なしよ」
「本当、リッカ? ああ良かったー。ねぇ、リーダー?」
「そうだな」
リーダーと呼ばれた少年は共に地下設備所に来た銀髪の少年へと目を配る。
中性的な顔に首にヘッドホンを掛けた白き衛生兵。
つい最近この極東支部に来た新型神機使いのサクラ・シュルツ。
彼もリーダーと共にメンテナンスを頼んでいたのだ。
「それじゃ、新型神機の倉庫で受け取ってね」
「わかった」
リーダーとサクラは己の神機が眠っている倉庫へと足を運ぶ。
リッカ曰く新型と旧型の神機は扱いが違うようで倉庫は別々の所らしい。
目的地に着いたメンバーは倉庫に書かれた番号へと向かう。
隊長はNo.1と書かれた倉庫にサクラはNo.7と書かれた倉庫へ。
するとサクラは声を上げる。
「あれ? そう言えばこのNo.って、極東支部に着たもの順なんだよね?」
「そうだ。俺が1番乗りだから1で次はアリサ。それにアネット、フェデリコ。リンドウさんは体内に仕舞えるから倉庫にはないぞ?」
「でも、レキの所はNo.6になってるよ? 5番目の倉庫は誰も使ってないの?」
「あぁ、そこはわざと空けてるんだ」
「えっ?」
リーダーの言葉にサクラは首を捻る。
しかし、リーダーは遠い目をしながら言う。
「――そこの倉庫の所有者はまさしく聖騎士だったんだ」
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